データサイエンティストが21世紀で最も期待されている職業と称されるようになってから早10年以上が経過いたしました。それから10年が経ち、日本のデジタル人材育成はどれほど進展したのでしょうか。独立行政法人情報処理推進機構が発行している「DX白書2023」によると米国企業の約73%がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する人材の量の確保に関して「やや過剰である」や「過不足である」と回答したのに対し、日本は約83%が「やや不足している」や「大幅に不足している」と回答したそうです[1]。要するに、米国ではデジタル人材不足が一定の程度解消されているのに対して、日本では依然としてデジタル人材が不足しているようです。
また、日本のデジタル化の遅れは世界デジタル競争力ランキングでも報告されています。同調査によれば、日本は対象となった63か国・地域の中で29位と低迷しており、特に「ビッグデータ解析の活用」「企業の機敏性」「国際経験」のいずれも最下位に位置しています[2]。このような状況から判断すると、日本ではまだDXが進展しているとは言い難いのかもしれません。
東京大学大学院情報理工学系研究科では、企業、教員、学生の三者が協力し、データサイエンスの課題を解決するための東京大学データサインティスという養成講座を2016年度から開講してまいりました。しかし、従来の方法ではさまざまな制約もあり、デジタル人材の育成に真に貢献するには十分ではありませんでした。そのため、2022年10月からはこれまでの講座を拡充し、協賛事業に発展させました。従来の演習講義とは別に、卓越RA制度やシンポジウムなど、産学連携の場を広く設けることで、デジタル人材の育成をより深め、総合大学の強みを活かしたデータサイエンス教育を目指すことにしました。制度改革以降、具体的な成果も徐々に出てきており、その初期段階は改革前の時期のプレスリリースからも確認することができます[3]。
DSSでは、新たに協賛企業として参加いただける方を随時募集しております。関心のある方は、以下の問い合わせ先に直接ご連絡ください。ご連絡をお待ちしております。
[1] https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html
[2] https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/102501144/
[3] https://www.i.u-tokyo.ac.jp/news/files/20190926_DSS_final_kouhou.pdf
協賛会員が提示する課題に対して協賛会員と協力して課題解決の方法を探索します。
DSS 関係者(学内関係者ならびに他のDSS協賛企業)との交流を目的としたシンポジウム等の会合へ参加ができます。
DSSのホームページや活動を通じて、協賛会員が本事業に協賛いただいていることを宣伝します。
協賛会員は、事前協議の上、協賛金納付日の翌日から当該年度末日まで本事業に協賛していることを宣伝することができます。